セキュリティエンジニアになるには?高校生から目指すためのステップを徹底解説
「ハッキングとか、サイバー攻撃のニュースを見ると気になる」「セキュリティの仕事って、なんかカッコよさそう」
そんなふうに感じたことがある高校生は、意外と多いのではないでしょうか。この記事では、サイバー攻撃から企業や社会を守るセキュリティエンジニアの仕事内容や年収、高校生からの目指し方をわかりやすく解説していきます。
セキュリティエンジニアとは? — サイバー攻撃から社会を守る仕事
ニュースで「企業から個人情報が数万件流出」「病院がランサムウェア(身代金要求型のウイルス)に感染して診療停止」といった報道を目にしたことはありませんか。こうしたサイバー攻撃は、年々増加し続けています。
セキュリティエンジニアは、こうした攻撃からシステムやデータを守る専門家。「ホワイトハッカー」とも呼ばれ、攻撃者の手口を熟知したうえで防御策を講じるのが役割です。
守る対象は企業だけにとどまりません。病院の電子カルテ、学校の成績管理システム、自治体のマイナンバー関連データ — 私たちの生活を支えるあらゆるITシステムが守備範囲に入ります。デジタル化が進むほど、この仕事の重要性は増していくでしょう。
「攻撃者の手口を知らないと、守ることもできない」。これはセキュリティの世界でよく言われる言葉です。だからこそ、セキュリティエンジニアには「攻め」と「守り」の両方の知識が求められるのがユニークなところ。ちょっと映画やドラマの世界みたいで、ワクワクしませんか?

セキュリティエンジニアの仕事内容 — 「守り」のプロが担う5つの領域
「セキュリティの仕事」と一口に言っても、実はかなり幅が広い職種です。大きく5つの領域に分かれており、それぞれ求められる役割が異なります。
企画・設計 — セキュリティのルールを作る
「どんなデータをどう守るか」を決める、いわばセキュリティの設計図づくり。たとえば「社員がカフェのWi-Fiから社内システムにアクセスする場合、どんな認証を求めるか」といったルール(セキュリティポリシー)を策定するのがこの領域です。
実装・構築 — 守りの仕組みを形にする
ファイアウォール(不正な通信を遮断する仕組み)の設定や、データの暗号化、多要素認証(パスワード+スマホ通知など複数の方法で本人確認する仕組み)の導入など、具体的な防御策をシステムに組み込んでいく仕事。設計書をもとに、実際に「壁」を築いていくイメージでしょうか。
運用・監視 — 24時間365日、攻撃を見張る
SOC(セキュリティ・オペレーション・センター)と呼ばれるチームで、ネットワーク上の不審な動きを24時間体制で監視します。大量のログ(通信記録)を分析し、「いつもと違う動き」を素早く検知して対処するのが役割。まさに、デジタル世界の番人と言える存在です。
インシデント対応 — 事件が起きたら即座に動く
万が一攻撃を受けた場合の緊急対応を担うのが、CSIRT(シーサート:Computer Security Incident Response Team)。被害範囲の特定、攻撃経路の遮断、復旧作業、再発防止策の策定まで、一連の対応をリードします。消防士のように、いざという時に頼りになるポジションです。
脆弱性診断 — 自社のシステムを「攻撃者目線」でテスト
ペネトレーションテスト(侵入テスト)とも呼ばれ、自社のシステムに擬似的な攻撃を仕掛けて弱点を見つけ出す仕事。「攻撃者ならどこを狙うか」を考えながら、システムの穴を事前に発見して塞ぐのが目的です。攻めの知識が最も活きる領域と言えるでしょう。
このように、セキュリティエンジニアの仕事はデスクワークが中心。ただし「ルーチンをこなす」よりも「状況に応じて判断する」場面が多く、ゲームの戦略を練るような面白さがあるのが特徴です。

セキュリティエンジニアの年収と将来性
年収の目安
セキュリティエンジニアの年収は、経験やスキルによって大きく変わります。おおまかな目安を見てみましょう。
| キャリア段階 | 年収の目安 |
|---|---|
| 入社1〜3年目(運用・監視中心) | 350〜450万円 |
| 中堅(設計・構築を担当) | 500〜700万円 |
| 上級(CISO・セキュリティコンサルタント) | 800〜1,200万円以上 |
求人ボックスの調査によると、セキュリティエンジニアの平均年収は約533万円とされています。経験を積んでCISO(最高情報セキュリティ責任者)やセキュリティコンサルタントにキャリアアップすると、1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
スキルを磨いた分だけ年収に反映されやすいのは、IT業界全体に共通する特徴。特にセキュリティ分野は人材不足が深刻なため、専門性を高めれば「選ばれる側」ではなく「選ぶ側」に立てるでしょう。
将来性 — 「なくならない仕事」の代表格
セキュリティエンジニアの将来性は非常に明るいと言えます。その根拠は明確です。
経済産業省の試算では、2030年には情報セキュリティ人材が約19万人不足すると見込まれています。サイバー攻撃は年々巧妙化・増加しており、AIの進化によって攻撃手法もさらに高度になっていく見通し。
つまり、「攻撃がなくならない限り、守る人も必要とされ続ける」ということ。デジタル化が進むほどセキュリティの重要性は増す一方で、この需要が減ることは考えにくいのが実情です。
セキュリティエンジニアの仕事や年収について、もっと詳しく知りたい方は、オープンキャンパスで現役講師に直接話を聞いてみるのもおすすめです。
セキュリティエンジニアに必要なスキル
セキュリティの仕事は、ITの幅広い知識の上に成り立っています。「セキュリティだけ」を学べばいいわけではない点は、押さえておきたいポイントです。
土台となる基礎スキル
- ネットワークの知識 — TCP/IP(インターネットの通信ルール)、DNS(ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組み)、HTTP(Webサイトの通信方式)など。攻撃の多くはネットワーク経由で行われるため、通信の仕組みを理解していないと何が起きているか判断できません
- OSの知識 — Linux(サーバーでよく使われるOS)やWindows Serverの操作。ログの確認やシステム設定の変更など、日常的に使う場面が多いスキルです
- プログラミング — Python(自動化スクリプトの作成に便利な言語)やシェルスクリプト(Linuxの操作を自動化するコマンド集)。大量のログを分析したり、手作業を効率化したりする際に力を発揮します
セキュリティ専門スキル
- 暗号化の仕組み — データを第三者に読まれないように変換する技術
- 認証・認可 — 「この人はアクセスしていいか」を管理する仕組み
- 脆弱性の知識 — システムの弱点を理解し、対策を講じる能力
最も大事なのは「好奇心」と「論理的思考力」
技術スキルは後からいくらでも身につけられます。でも、「なぜこの攻撃が成功したのか」「どうすれば防げるのか」と粘り強く考える力は、すべての土台になるもの。パズルを解くのが好き、謎解きにハマりやすい、という人は素質があるかもしれません。
セキュリティエンジニアに向いている人チェックリスト
「自分に向いているかな?」と気になったら、以下の項目をチェックしてみてください。当てはまるものが多いほど、セキュリティエンジニアの素質があるかもしれません。
向いている人
- パズルや謎解きが好き。攻略法を自分で考えるのが楽しい
- 「なぜ?」「どうやって?」と仕組みが気になるタイプ
- ニュースでサイバー攻撃や情報漏えいの話題につい目がいく
- コツコツ調べ物をするのが苦にならない
- 正義感が強く、「守る」仕事にやりがいを感じる
- 新しい技術やツールを試してみたくなる
- ルールや法律を守ることに抵抗がない
向いていない人
- 地道な調査や分析より、すぐに結果が出る仕事が好き
- 日々の学習アップデートが面倒に感じる
すべてに当てはまる必要はありません。1〜2個でも「これは自分のことだ」と思える項目があれば、セキュリティの世界を覗いてみる価値は十分にあります。
おすすめの資格 — 高校生から取れるものも
資格はスキルを客観的に証明する手段。いきなり難しいものを目指す必要はなく、段階的に取得していくのがおすすめです。
入門レベル — まずはここから
- ITパスポート — 国家資格で、高校生でも受験可能。ITの基礎知識を幅広く証明できるため、最初の一歩として最適です
- 情報セキュリティマネジメント試験 — セキュリティの基礎を問う国家試験。ITパスポートの次のステップとして取り組みやすいでしょう
実務レベル — 就職活動で武器になる
- 基本情報技術者試験 — IT業界で広く認知される国家資格。プログラミングやアルゴリズムの基礎も問われます
- CompTIA Security+ — 世界的に認知されるセキュリティの実務資格。グローバル企業でも評価されるのが特徴です
上級レベル — キャリアアップの切り札
- 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ) — 国が認定するセキュリティの最高峰資格のひとつ。取得すれば企業からの評価が一段上がるでしょう
- CISSP — 国際的なセキュリティ資格で、CISO(最高情報セキュリティ責任者)を目指す人の定番として知られています
高校生のうちにできること — CTFに挑戦してみよう
資格の勉強と並行して、CTF(Capture The Flag)に挑戦してみるのもおすすめ。CTFは、セキュリティの知識を使ってパズルのような問題を解く競技です。ゲーム感覚で楽しみながら、実践的なスキルが身につくのが魅力。
オンラインで参加できる大会も多く、高校生のうちから腕試しができる貴重な機会です。「セキュリティの世界って面白い」と感じるきっかけになるかもしれません。

高校生からセキュリティエンジニアを目指すロードマップ
「興味はあるけど、何から始めればいい?」。そんな疑問に答えるため、具体的なステップを紹介します。
Step 1: ITの基礎を固める
まずはITパスポートの勉強から始めてみましょう。コンピュータの仕組み、ネットワークの基本、セキュリティの考え方など、すべての土台になる知識を身につけます。高校生のうちに取得しておくと、進学後のスタートダッシュが切れるでしょう。
Step 2: IT専門学校でネットワーク・サーバーを体系的に学ぶ
セキュリティの知識は、ネットワークとサーバーの基礎の上に成り立つもの。専門学校では実機を使った演習を通じて、座学だけでは得られない実践力を身につけられます。「自分でルーターを設定して通信を流す」「Linuxサーバーを立ち上げてみる」といった体験が、知識を本物にしてくれるはずです。
Step 3: セキュリティの専門知識を深める
基礎が固まったら、暗号化、脆弱性診断、ログ分析など、セキュリティの専門領域に踏み込んでいく段階。在学中にCompTIA Security+や情報セキュリティマネジメント試験などの資格取得を目指すと、卒業後のキャリアで大きなアドバンテージになるでしょう。
Step 4: インターン・実務経験で実践力を身につける
セキュリティは座学だけでは限界がある分野。企業のインターンシップや、CTFへの継続的な参加を通じて、「現場で通用するスキル」を磨いていくことが大切です。
なぜ専門学校が有利?
独学でセキュリティを学ぶのは不可能ではありません。ただし、何をどの順番で学べばいいかが見えにくいのが正直なところ。
IT専門学校なら、以下のメリットがあります。
- 2〜3年で集中的に学べる — ネットワーク → サーバー → セキュリティと、段階的にステップアップするカリキュラムが組まれている
- 資格取得のサポートが充実 — 試験対策の授業や模擬試験が用意されており、合格率が高い
- 業界とのパイプがある — 企業連携授業やインターンシップを通じて、在学中から実務を経験できる

沖縄でセキュリティを学ぶ — 那覇日経ビジネスのネットワークスペシャリスト科
セキュリティエンジニアを目指すうえで、学ぶ環境は大切なポイント。ここでは、沖縄で学べる選択肢のひとつとして、那覇日経ビジネス専門学校のネットワークスペシャリスト科を紹介します。
IIJがカリキュラムを監修
IIJ(株式会社インターネットイニシアティブ)は、日本のインターネットの草分け的存在。そのIIJがカリキュラムの設計に直接関わっており、セキュリティを含む最新の技術動向を反映した授業が受けられます。現役エンジニアによる特別講義では、教科書には載っていないリアルな現場の話が聞けるのも魅力のひとつです。
ネットワーク・セキュリティ・サーバー・クラウドの4分野を横断的に学べる
セキュリティの仕事は、ネットワークやサーバーの知識なしには成り立ちません。ネットワークスペシャリスト科では4分野を横断的に学べるため、セキュリティに特化したいと思った段階で、すでに土台ができている状態からスタートできるのが強みです。
入学時点で「どの分野に進むか」を決めていなくても大丈夫。学びながら自分の方向性を見つけられるのは、3年制ならではのゆとりと言えるでしょう。
3年制 × 20名の少人数制
2年制の学校が多い中、3年間かけてじっくり学べるのはこの学科ならでは。1クラス20名の少人数制だから、わからないことをそのままにせず質問できる環境が整っています。
「セキュリティに興味はあるけど、自分にできるかまだわからない」。そんな段階でもまったく問題ありません。
オープンキャンパスでは実際の授業を体験できるので、まずは雰囲気を確かめてみてはいかがでしょうか。進路の悩みは、LINEでも気軽に相談できます。