クラウドエンジニアとは?仕事内容・年収・なり方をわかりやすく解説
クラウドエンジニアとは? — 「ネット上のコンピュータを管理するプロ」
Google Drive、YouTube、LINE。これらのサービスは、すべて「クラウド」と呼ばれる仕組みの上で動いています。
クラウドとは、インターネット上にあるコンピュータ(サーバー)を使ってサービスを提供する仕組みのこと。以前は、企業が自社の建物の中にサーバーを設置して管理するのが一般的でした。しかし近年は、そのサーバーをインターネット上に移す「クラウド移行」が急速に進んでいます。
たとえば、あなたがスマホでSNSに写真を投稿するとき。その画像データはクラウド上のサーバーに保存され、友達のスマホに配信されます。ECサイトで買い物をするときも、商品情報や注文データはすべてクラウド上で処理されています。私たちが普段意識しないところで、クラウドは生活のあらゆる場面に入り込んでいるのです。
クラウドエンジニアは、このネット上のサーバーを設計・構築・運用するプロフェッショナル。スマホで毎日使っているアプリやサービスの「裏側」を支える、縁の下の力持ちのような存在です。
「アクセスが集中してもサービスが落ちないようにする」「大切なデータを安全に守る」「毎月のサーバー費用をできるだけ抑える」。こうした課題を技術力で解決するのが、クラウドエンジニアの腕の見せどころです。

クラウドエンジニアの仕事内容 — ある1日の流れ
「実際にどんな1日を過ごしているの?」という疑問に答えるため、IT企業で働くクラウドエンジニア(入社3年目)の典型的な1日を紹介しましょう。
| 時間 | 仕事内容 |
|---|---|
| 9:00 | 出社・メールチェック — 夜間の監視アラートや顧客からの連絡を確認。異常がなければ一安心 |
| 9:30 | 朝会(デイリースタンドアップ) — チームとZoomで5〜10分のミーティング。昨日の進捗と今日のタスクを共有 |
| 10:00 | 設計作業 — 新しいWebサービスのサーバー構成をAWS上で検討。「どの地域にサーバーを置くか」「アクセスが増えた時に自動で台数を増やすには」を設計書にまとめる |
| 12:00 | 昼休憩 — 同僚とランチ。技術ブログの話題で盛り上がることも |
| 13:00 | 構築作業 — 設計した内容をもとに、AWSの管理画面やコマンドラインでサーバーを構築。テスト環境で動作確認を繰り返す |
| 15:00 | コードレビュー・打ち合わせ — 後輩が書いた設定ファイルをチェック。顧客との定例ミーティングでは進捗状況を報告 |
| 16:30 | 監視設定の改善 — 障害の兆候を早く見つけるため、アラート(異常検知の通知)の条件を調整 |
| 17:30 | ドキュメント更新 — 今日の作業内容を設計書に反映し、チームのチャットで進捗を共有 |
| 18:00 | 退社 — 明日のタスクを整理して業務終了。定時退社が基本のため、プライベートの時間もしっかり確保できる |

特徴的なのは、物理的なサーバーに触る場面がほとんどないこと。すべての操作はPC上のブラウザやターミナル(コマンド入力画面)で完結します。
もうひとつ注目したいのは、「1人で黙々と作業する仕事ではない」ということ。朝会でチームと連携し、レビューで後輩の成長を支え、顧客との打ち合わせで進捗を報告する。技術力だけでなく、コミュニケーション力も活かせる仕事です。
データセンターに出向く必要がなく、PC1台あればどこからでも作業できるため、リモートワークとの相性が良い職種でもあります。この日はオフィス勤務の例ですが、週に2〜3日は自宅からリモートで働く企業も増えています。
クラウドエンジニアはネットワークエンジニア・サーバーエンジニアと何が違う?
IT業界には似た名前の職種がいくつかあり、違いがわかりにくいかもしれません。クラウドエンジニアとよく比較される2つの職種との違いを整理してみましょう。
| 職種 | 扱う領域 | 物理機器 | 主な作業環境 |
|---|---|---|---|
| ネットワークエンジニア | 通信経路(ルーター・スイッチ) | 触る | データセンター+オフィス |
| サーバーエンジニア | サーバー本体(OSや周辺ソフト) | 触る | データセンター+オフィス |
| クラウドエンジニア | クラウド上のサーバー・ネットワーク全般 | 触らない | PC1台でどこからでも |
3つの職種はいずれも「ITインフラ」(ITサービスの土台となるネットワークやサーバーなどの基盤)を支える仕事ですが、扱う領域と作業環境が異なります。
ただし、実際の業務では重なる部分も多いのが実情。ネットワークやサーバーの知識はクラウドエンジニアにとっても欠かせないため、基礎を幅広く身につけておくと将来の選択肢が広がるでしょう。
実際のキャリアパスとしても、「最初はネットワークエンジニアとして経験を積み、その後クラウドエンジニアに転向する」というケースは珍しくありません。逆に、クラウドの知識を持っていれば、ネットワークやセキュリティの分野にも活躍の幅を広げられます。つまり、どの職種からスタートしても、スキルを掛け合わせることで市場価値を高めていけるのがITインフラ系エンジニアの強みです。

クラウドエンジニアの年収はどれくらい?
気になる年収についても見ていきましょう。
調査元によって数値に幅がありますが、おおまかな目安は以下の通り。
年代別に見ると、20代で350〜450万円、30代になると500〜700万円が目安になります。フリーランス(企業に所属せず個人で仕事を請け負う働き方)として独立した場合は、月単価60〜90万円、年収換算で約720〜1,080万円に達するケースも珍しくありません。
なぜこれほど差が出るのでしょうか。理由は、扱えるクラウドの種類や経験の深さによって評価が大きく変わるから。言い換えれば、スキルを積み上げた分だけ年収に反映されやすい職種と言えるでしょう。
キャリアステップ別に整理すると、おおまかには以下のような流れになります。
- 入社1〜2年目: 運用・監視の業務が中心 → 年収300〜400万円台
- 3〜5年目: 設計・構築を任されるようになる → 年収500〜600万円台
- リーダー・アーキテクト: プロジェクトを率いる立場(全体設計の責任者) → 年収700万円以上も現実的
年功序列ではなく「何ができるか」で評価されるため、努力の方向が明確で、若いうちから高い年収を目指しやすい構造になっています。
クラウドエンジニアの仕事や年収について、もっと詳しく知りたい方は、オープンキャンパスで現役講師の話を直接聞いてみるのもおすすめです。
クラウドエンジニアのやりがいと、正直キツい面
良い面だけでなく、大変な面も正直にお伝えします。
やりがい
- 最先端の技術に常に触れられる — クラウドは進化が速く、常に新しい技術に出会える
- 身近なサービスの裏側を支えている実感 — 「このアプリ、自分が構築したサーバーで動いてる」という手応え
- スキル次第で年収を上げやすい — 需要が供給を上回る状態が続いている
- リモートワークとの相性が良い — PC1台でどこでも仕事ができる
正直キツい面
- 常に学び続ける必要がある — クラウドサービスのアップデートは速く、半年前の知識が古くなることも
- 障害対応は時間を選ばない — 深夜や休日に緊急対応が発生することがある
- 最初は覚える量に圧倒される — ネットワーク、サーバー、クラウドと学ぶ範囲が広い
「学ぶこと自体が好き」「新しい技術にワクワクする」という人にとっては、やりがいの大きい環境。一方で、同じやり方をずっと続けたいタイプの人には、少しストレスに感じるかもしれません。
ただし、「キツい面」は裏を返せば成長のチャンスでもあります。障害対応の経験はトラブルシューティング能力を鍛え、常に学び続ける姿勢は市場価値の維持に直結します。最初は大変でも、経験を重ねるほど「あのとき苦労してよかった」と思える場面が増えていくのがこの仕事の特徴です。
クラウドエンジニアに向いている人・向いていない人

向いている人
- 新しいものが好きで、テクノロジーの進化にワクワクする
- コツコツ調べて試すのが苦にならない
- 「なぜ動くのか」の仕組みを知りたくなるタイプ
- チームで協力して進めるのが好き
向いていない人
- 一度覚えたらずっと同じやり方で仕事がしたい
- PCの前に長時間座るのがつらい
「今はPCが得意じゃない」「プログラミングの経験がない」。そんな心配をしている高校生も多いかもしれません。
でも、スタート地点のスキルより大事なのは「好奇心」と「学ぶ姿勢」。基礎からしっかり学べる環境さえあれば、未経験からでも十分に目指せる職種です。実際に、文系出身や異業種からクラウドエンジニアに転身して活躍している人はたくさんいます。大切なのは「今何を知っているか」ではなく、「これから何を学びたいか」です。
高校生からクラウドエンジニアを目指すべき3つの理由
「将来の仕事なんて、まだ決めなくていいのでは?」と思うかもしれません。でも、クラウドエンジニアに関しては、早く動き始めるほど有利になる理由があります。
理由1: IT人材の不足は深刻で、今後さらに広がる
経済産業省の調査によると、2030年には約79万人のIT人材が不足すると予測されています(出典: IT人材需給に関する調査 2019年)。特にクラウド分野は企業の移行ニーズが年々増えているのに対して、対応できるエンジニアが圧倒的に足りていません。
つまり、今から学び始めれば、卒業する頃には「企業から求められる人材」になれる可能性が高いということ。就職活動で「選ばれる側」ではなく「選ぶ側」に立てるかもしれません。需要と供給のバランスが崩れている今だからこそ、早めにスキルを身につけた人が有利になる構造です。この流れは少なくとも今後10年は続くと見られています。
理由2: 高校生からなら「基礎固め」に十分な時間がある
クラウドエンジニアになるには、ネットワークやサーバーの基礎知識が欠かせません。社会人になってから学び直す人も多いですが、基礎を固める時間が限られるのが現実。
高校卒業後に専門学校で2〜3年かけて体系的に学べば、ネットワーク・サーバー・クラウドの3分野をしっかり習得できます。在学中に資格も取得できるため、即戦力としての準備が整います。大学で別分野を学んだ後に転職する人と比べると、数年分のアドバンテージを持ってキャリアをスタートできるでしょう。20代前半からクラウドの実務経験を積んでおくことで、将来の選択肢が大きく広がります。
理由3: 場所を選ばず、沖縄からでも第一線で働ける
クラウドエンジニアの仕事はPC1台で完結するため、東京にいなくても第一線の仕事ができます。実際にリモートワークで沖縄から全国の案件に参画しているエンジニアも少なくありません。
「地元で暮らしたいけど、東京のような仕事がしたい」。そんな願いを叶えられる職種のひとつと言えるでしょう。沖縄の生活コストで東京水準の収入を得られれば、生活の質はぐっと高くなります。通勤ラッシュとも無縁で、仕事の後は海を眺めてリフレッシュ — そんな働き方も決して夢物語ではありません。
クラウドエンジニアに必要なスキル・資格
まず身につけたい基礎スキル
クラウドエンジニアはいきなりクラウドだけを学べばいいわけではありません。クラウドは「ネットワーク」と「サーバー」の上に成り立つ技術なので、まずはこの2つの基礎をしっかり押さえることが重要です。
- ネットワークの基礎 — TCP/IP(インターネットの通信ルール)やDNS(ドメイン名をIPアドレスに変換する仕組み)など
- サーバーの基礎 — Linux(サーバーでよく使われるOS)の基本操作
これらは一見地味に感じるかもしれませんが、クラウド上でトラブルが起きたときに「原因がネットワークにあるのか、サーバーにあるのか、クラウドの設定にあるのか」を切り分けるために欠かせない知識です。基礎がしっかりしている人ほど、現場で頼りにされます。
実務で使うクラウドスキル
クラウドサービスには大きく3つのプラットフォームがあります。どれもインターネット上でサーバーやデータベースなどの機能を提供しており、企業や個人がこれらを組み合わせてサービスを構築しています。
| サービス名 | 提供元 | 特徴 |
|---|---|---|
| AWS(エーダブリューエス) | Amazon | 世界シェアNo.1。求人数も最多 |
| Azure(アジュール) | Microsoft | Microsoft製品との連携に強い |
| GCP(ジーシーピー) | データ分析・AI分野に強い |
おすすめの資格
| 資格名 | レベル | ポイント |
|---|---|---|
| ITパスポート | 入門 | 国家資格。高校生でも取得可能 |
| 基本情報技術者試験 | 基礎 | IT業界で広く認知される国家資格 |
| AWS認定クラウドプラクティショナー(CLF) | クラウド入門 | クラウドの基礎知識を証明する |
| AWS認定ソリューションアーキテクト(SAA) | 実務 | 設計スキルを証明できる上位資格 |
まずはITパスポートからスタートし、基本情報技術者試験で基礎を固め、その後クラウド系の資格にステップアップしていくのが王道ルートです。いきなり難しい資格を目指す必要はありません。一歩ずつ積み上げていけば大丈夫です。
高校生のうちにできることもあります。ITパスポートに挑戦してみたり、AWSの無料利用枠を使って実際にクラウドに触れてみるのがおすすめ。「資格の勉強をしながら実際に手を動かす」ことで、知識と実践力の両方が身につきます。

未経験からクラウドエンジニアを目指すロードマップ
Step 1: ITの基礎を学ぶ
ITパスポートや基本情報技術者試験の勉強を通じて、ITの全体像をつかみます。「コンピュータはどうやって動くのか」「ネットワークとは何か」「セキュリティの基本的な考え方」など、すべての土台になる知識をここで身につけます。暗記よりも「仕組みを理解する」ことを意識すると、後の学習がスムーズになります。
Step 2: ネットワーク・サーバーの仕組みを学ぶ
実機やシミュレーターを使い、手を動かしながら通信やサーバーの基本を身につけていきましょう。たとえば、実際にルーター(通信の経路を決める機器)を設定してみたり、Linuxサーバーを立ち上げてWebサイトを公開してみたり。教科書を読むだけでは得られない「動かしてみてわかる感覚」が、エンジニアとしての自信につながります。
Step 3: クラウドサービスを実際に触る
AWSなどのクラウドプラットフォームで、実際にサーバーを構築してみる段階。ここが一番「楽しい」と感じる人が多いかもしれません。AWSには無料利用枠があり、学生でもクラウド上にサーバーを作ったり、データベースを構築したりする体験ができます。「自分がクリックするだけで、世界のどこかにサーバーが立ち上がる」。その体験はきっと新鮮な驚きになるでしょう。
Step 4: 資格を取得し、就職活動へ
クラウド系の資格を取得すれば、未経験でもスキルを客観的にアピールできます。企業の採用担当者は「この人は基礎をちゃんと学んでいる」と判断できるため、資格は就職活動において強力な武器になります。特にAWS認定資格は業界での認知度が高く、取得しているだけで書類選考の通過率が変わるとも言われています。
独学でも不可能ではありませんが、クラウドは学ぶべき範囲が広く、何から手をつければいいか迷いやすい分野。IT専門学校なら、2〜3年でStep 1〜4を体系的に学べるため、迷わずステップアップしていけるでしょう。

沖縄で学ぶ、IIJ監修の実践カリキュラム — 那覇日経ビジネスのネットワークスペシャリスト科
クラウドエンジニアを目指すうえで、学ぶ環境選びは大切なポイント。ここでは、沖縄で学べる選択肢のひとつとして、那覇日経ビジネス専門学校のネットワークスペシャリスト科を紹介します。
IIJがカリキュラムを監修
IIJ(株式会社インターネットイニシアティブ)は、日本で初めてインターネット接続サービスを提供した企業。そのIIJがカリキュラムの設計に直接関わり、現役エンジニアによる特別講義も実施しています。
教科書には載っていない、現場で使われているリアルな技術に触れられる環境。沖縄にいながら、東京の第一線と同じレベルの学びを得られるのが大きな特徴です。
3年制 × 20名の少人数制
IT系の専門学校は2年制が多い中、ネットワークスペシャリスト科は3年制。1年目にIT基礎を固め、2年目に実機演習、3年目に企業連携のPBL(プロジェクト型学習)と、段階的にステップアップしていくカリキュラムになっています。
1クラス20名の少人数制なので、わからないところをそのままにせず学べる環境が整っているのもポイント。
クラウドだけではない — 4つの職種に対応
ネットワーク・セキュリティ・サーバー・クラウドの4分野を横断的に学べるカリキュラム。入学時点で「どの分野に進むか」を決めていなくても、学びながら自分の方向性を見つけられます。
「クラウドエンジニアに興味はあるけど、自分に合っているかまだわからない」。そんな段階でもまったく問題ありません。
オープンキャンパスでは実際の授業を体験できるので、まずは雰囲気を確かめてみてはいかがでしょうか。進路の悩みは、LINEでも気軽に相談できます。
(カリキュラム・取得資格・就職実績をチェック)